入社動機は?
大学では映画製作や映像表現について専攻し、ゼミではアニメの作り方について重点的に研究していました。就職活動ではアニメーター職を視野に入れていましたが、絵のレベルが未熟だったゆえに不合格が続くという歯がゆい日々を過ごしていました。当社に関してはゼミの先生から「演出助手で受けてみては?」とアドバイスをいただいたものの、誰もが知っている会社に入れるわけがないと思い込んでいました。それでもうまく面接が進み、縁あって内定をいただいたときは、子どものころから好きだった『ONE PIECE』などにかかわれるという嬉しさでいっぱいになりました。
現在の仕事内容
演出助手として入社しアシスタント業務を経験した後、2018年の『ゲゲゲの鬼太郎 第6期』にてEDの演出担当となりました。当時は4年目の若手に過ぎませんでしたが、「挑戦したい!」と声を上げ続け、監督に言われる前に自主的にEDのコンテを作ったことがきっかけで採用していただくに至りました。以来、演出担当として『ワールドトリガー』『ドラゴンボールヒーローズ』『ONE PIECE FILM RED』などを手がけ、直近では『ONE PIECE』エッグヘッド編のシリーズディレクター(監督)の1人となり、自分で演出をしつつも全体的な流れを確認したり、シナリオや設定の細かな発注も手掛けたりしながら、作品のあるべき方向を探るという重責を担っています。
仕事のやりがい
最終的に映像が完成し、画面上でバチっと決まったとき、スタッフたちから湧き上がる熱気が仕事をしていく上での糧になっています。また、他のクリエイターの発想や色使い、コンテなどを見ていると、純粋にクリエイティブな刺激を受けることが多く、「次の演出に還元していこう!」という前向きな気持ちが生まれてきます。担当作品以外に関しても同様で、テレビなどで放映されている作品を見ていると、自分の中に落とし込めるものはないか、自然と深く見入ってしまいます。
チャレンジエピソード
新人時代、最初に担当したのは『タイガーマスクW』でした。プロレスは全くの門外漢だったものの、製作するならば理解しなくてはいけないからと、会場に出かけて試合を見たりしていくうちにプロレスの臨場感やドラマ性がわかってきて、製作上での参考になるものを非常に多く得ることができました。ちなみに当時、作画監督が私の顔をもとにモブキャラを作ってくれて、作品内に登場したのはいい思い出です。また、映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』では作画監督と一緒になってバトルシーンを突き詰めるべく、会議室に閉じこもって剣と体術のアクションを実演していました。その様子をひたすら録画して動きを確かめ、作画に落とし込んでいくヒントを探っていったのですが、大変ながらも楽しい時間を過ごすことができました。ほかにも『ONE PIECE』コミックス100巻/アニメ1000話記念PVではアニメパートの演出を担当。その時実写パートの撮影現場も見学しました。アニメと違う手法を間近で体験できたのも今の財産になっています。

⼊社後に感じたギャップ
演出助手時代は演出がチェックした素材に、各所に必要な追記をし、作画監督や美術監督に回していくという役割を担っていました。アニメ製作会社はハードな働き方をしているという印象は持っていましたが、その想像は間違っていませんでした。手書きのアニメーションを作り、毎週のように放送するのですから当然のことだと言えるかもしれません。そんな大変な中でも楽しいという感覚の方が強く、試行錯誤を重ねた結果、なんとか作品が完成したときは苦労が報われる想いがします。ちなみに働き方改革が進んだ今は、昔に比べるとワークスタイルもかなりソフトになっています。
入社してから自身が成長したと感じるポイント
入社したての頃は失敗をしてしまうことも多かったですが、振り返りと改善を重ねてミスを一つずつ減らしてきた結果、一歩ずつ成長できたと思います。もちろん今でも失敗はしますが。迷ったときには先輩や同期、後輩たちに相談すれば、解決につながるヒントをくれるのも心強かったですね。年齢を問わずにお互いに刺激し合える仲間がいるからこそ、成長し続けられるのでしょう。アニメーションは総合芸術だとよく言われますが、だからこそ、人とのかかわりが重要なのかもしれません。
今後、挑戦していきたいこと
現状はシリーズディレクターとして、『ONE PIECE』に注力していますが、いつかは映画製作に携わりたいと考えています。以前、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の演出として参加したとき、映像と音楽が調和してスクリーンに投影される映画という世界に感動したのをよく覚えています。私もいつか映画の監督としてチャレンジできるように、先輩監督の発注の仕方、企画の立て方などを学んでいるところです。
東映アニメーションの海外展開について
『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』といった作品の海外ファンの熱気はものすごく、XなどのSNSでも盛り上がっている様子をよく見かけます。“面白い作品”“楽しい作品”を見たいという気持ちは万国共通。海外を意識した作品作りをするつもりはないですが、今まで以上に多くの人に楽しんでもらえる作品作りを進めることで、国内外で多くのファンを獲得するための力になりたいですね。
子どもの頃に見た作品が今も忘れられない
東映アニメーション製作の作品は、幼少期から身近にあり続けてきました。中でも記憶に残っているのは、小学生の頃に始まった『おジャ魔女どれみ』。放送が終わったときのショックは今でも忘れられません!兄と姉と年齢が離れていることもあって、『ドラゴンボール』『スラムダンク』にも熱中していました。
- 10:00
- 出社
- 打ち合わせ対応のため早めに出社。資料をまとめたり、稼働中の案件の整理を行ったりします。
- 11:00
- 打ち合わせ
- 絵コンテをもとにアニメーターと議論を重ねます。次に作る絵についてどのような形がいいのか、率直に意見を出し合います。
- 12:30
- 昼食
- 時間をかけたくないので、近所のコンビニに行くことが多いです。のんびりしたいときは製作のたまり場になっている喫茶店に出かけます。
- 13:30
- 打ち合わせ
- 別の担当パートのアニメーターと打ち合わせ。午前中と同様、よりよいシーンを描くために意見をぶつけ合います。
- 15:00
- チェック作業
- レイアウトや原画をチェック。作画監督が修正しやすいように具体的にメモで指示を添えていくのを意識しています。
- 17:00
- 絵コンテ作成
- デスクに座って、次の次の担当回の絵コンテを作ります。シナリオを読み込み、どういう構成がふさわしいのか念入りに組み立てていきます。



